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JapanRx / 転移性腎細胞癌における10年以上に渡るソラフェニブでの単独療法

転移性腎細胞癌における10年以上に渡るソラフェニブでの単独療法

 背景:分子標的療法が劇的に転移性腎細胞癌の予後を改善しています。
しかし、最初は治療が有効だった患者は、後に疾患の進行がみられます。

ケースプレゼンテーション:当院来られた転移症状の証拠がない腎細胞癌と診断された74歳の日本人男性の場合。
彼は当初、根治的腎摘出術を施行し、その後疾患が肺に転移しました。
ソラフェニブでの治療は、手術の1年後に肺転移のために開始されました。疲労や心筋梗塞などの有害事象が発生したため、ソラフェニブの投与を減らし一時的に中断しました。
患者は、疾患の進行および重篤な有害事象なく10年以上にわたり、ソラフェニブでの単独療法を続けています。

結論:ソラフェニブ単独療法を受けながら10年以上にわたって生存した転移性腎細胞癌患者のまれなケースとして提示されました。

腎細胞癌(RCC)は、成人の悪性腫瘍の3%を占め、腫瘍の90%が腎臓から生じます。
腎摘出術を受けた、初めに限局性疾患があった患者の約20%から40%が転移を発症します。転移性疾患を有する患者の、5年生存率は10%未満であり、予後は極めて不良です。

近年では、標的治療により劇的に転移性腎細胞癌患者の予後が改善しています。
血清C反応性タンパク質レベル、転移状態、および腫瘍の縮小を含む、メモリアルスローンケタリングがんセンター(MSKCC)のリスク分類システム以外の転移性腎細胞癌のためのいくつかの予後因子があることを実証しています。
以前、我々は、分子標的療法を用いてのファーストライン治療の期間は、転移性腎細胞癌の患者で最も強力な予後因子であることを報告しました。
日本では、ソラフェニブ、スニチニブ、およびパゾパニブ、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の3つのタイプおよびラパマイシンのような哺乳類標的の一種が第一の分子標的治療として、転移性腎細胞癌を有する患者に適用が可能です。
しかし、一つだけの分子標的薬では、治療後10年以上生存したといった報告は少ないです。
本稿では、ソラフェニブ単独療法を受けながら10年以上にわたって生存した転移性腎細胞癌の患者のケースを提示します。
-続く-
(記事元)http://www.medscape.com/viewarticle/865992