近視用の点眼薬検査についての研究

ヴァンダービルト大学医療センターと全米にある他の11カ所の病院や診療所で行われた研究によると、、一般的には斜視の治療に高用量で使用されることが知られる、低用量のアトロピン点眼薬を2年間受けた小児ではその使用が近視の進行を遅らせる点ではプラセボと変わらないことが示されています。

近視を管理する効果的な方法を特定することを目的としたこの種の最初のランダム化比較試験が、先週JAMA Opharmology誌に掲載されました。

「興味深いことに、そして、正直、衝撃的ではありましたが、年齢が5歳から12歳までのこれらの子供たちの治療において、0.01%のアトロピンとプラセボの使用に違いがなかったことが分かりました。」

とこの研究に参加した眼科准教授のロリ・アン・ケーラーOD博士は述べました。博士は眼科学および視覚科学の准教授であり、検眼サービスの責任者、そして、ヴァンダービルト施設の研究主任研究員です。

Visual Sciences、検眼サービスの責任者、およびヴァンダービルト施設の研究主任研究員。治験参加者187人のうち21人がヴァンダービルト大学医療センター（VUMC）からの参加者でした。

近視の発症は通常、発達中の目が軸方向（前から後ろ）に長くなりすぎる可能性がある7歳から16歳の間に起こります。

網膜（目の奥にある光に敏感な組織）に画像の焦点を合わせるのではなく、遠くの物体の画像は網膜の前の点に焦点を合わせます。そのため、近くを見るの視力は変わらないものの、遠方の視力の低下が引き起こされます。

この状態では、遠方視力を改善するために眼鏡が必要になりますが、網膜剥離や近視性黄斑変性症などの医学的合併症や、後年に矯正不可能な重度の視力の低下を引き起こす可能性もあります。

この研究は、少量のアトロピンが近視の進行を遅らせるのに効果があることを示した東アジアにおいての以前の研究と矛盾しています。

2017年、眼科学会は東アジアの研究結果を支持し、FDAはアトロピンのこの用途を承認してはいないものの、近視に対して低用量を処方する十分な証拠があると述べました。

VUMCを含む全国の眼科医は、近視を治療する若い患者にこの処方を行いました。

「長年にわたって治療の選択肢がなかったため、これは当時非常に興味深い発見でした。」

とケーラー博士は述べました。

近視治療のためのアトロピンの処方は、ほとんどが保険適用外です。

「近視の発生率は世界中で増加しています。」

とケーラー博士はいいます。

「2030年までに、米国の3,900万人が近視になると予測されています。2050年までに、その数は米国で4,400万人以上、世界人口の50％に増加すると予想されています。子どもで近視が見つかると、年々悪化する傾向があります。世界中の研究者が、近視の進行を止めるか、進行を遅らせるための介入戦略を試みてきました。」

と彼女は述べました。

ケーラー博士は、なぜ近視の発生率が増加しているのかは不明だと述べました。

「いくつかの理論があります。スマホなどスクリーンの使用とそれを見ているスクリーンタイムの増加が原因だと考える人もいますが、スクリーンが子供の生活の一部になる前から近視は増加していました。

工業化と関係があると考える人もいます。以前の私たちは農業社会におり、もっと外に出ていました。昔は、本も読みませんでした。一日中近くを見ていることもありませんでした。

実際に、一般的な考えでは、私たちが一日のほとんど画面を見ているか、数学の本を見ているか、あるいは本を読んでいるかにかかわらず、日光不足と近視の改善不足が続いていることが近視増加の原因であると考えています。」

ケーラー博士は、VUMC でアトロピン点眼薬を使用している近視の子供の割合は低く、全国的に近視の子供のうちアトロピン点滴薬を使用しているのは 5% 未満であると推定していると述べました。

眼科専門医は、近いうちにアジアの研究と米国の新たな研究の間で矛盾するデータについて、近視の子供の親と率直に話し合うべきなのです。

「東アジアの研究と比較して、米国を拠点とする我々の研究に治療効果が見られないのは、アトロピン反応の人種差を反映している可能性があります。この研究では、他の人種に比べて近視の進行が早いアジア人の子供の参加が少なく、近視の進行が遅い黒人の子供も参加していました。」

と、この研究の筆頭共著者でジョンズ・ホプキンス大学眼科学教授のマイケル・X・レプカ医学博士はNEIのニュースリリースで述べました。

「すべての研究で点眼薬が安全であることが示されているので、0.01％の処方を続けても子供たちを危険にさらすことはありません。」

とケーラー博士は述べました。

「しかし、私たちは、これらの研究には違いがあり、それはあなたの遺伝学に関係があるかもしれないと彼らに伝えています。それは、恐らく、米国人よりもアジア人の子供たちの方が効果的である可能性があります。」

と彼女は述べました。

さらなる研究が必要だとケーラー博士は言います。

次のステップでは、米国の子供たちに効果が見られるかを確認するために、より高用量のアトロピンを研究することになる可能性があります。

香港で行われた研究、「LAMP 研究」では、0.05% の方が効果的である可能性があることが判明しました。

ケーラー博士は、他のグループも近視の進行を遅らせるために赤色光療法の使用について研究しており、近視の進行を遅らせるために開発された新しい眼鏡レンズもあるものの米国ではまだ入手できないと述べました。

「非常に幼い子供たちが点眼薬を受けるのははるかに困難です。」

とケーラー博士は言います。

「しかし、眼鏡という選択肢があれば、若い患者の治療への扉が開かれるでしょう。」

近視は通常、16 歳前後の子供の約半数で安定し、年齢が上がるにつれてその割合はますます増加します。

20 代前半までに、近視患者の約10% がさらに近視が進行し、24 歳までにその割合は4% になります。

【以下のリンクより引用】

Study to test eye drops for nearsightedness

Sciencedaily

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