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JapanRx / 透析を受けていない慢性腎疾患および二次性副甲状腺機能亢進症患者におけるシナカルセトの有効性

透析を受けていない慢性腎疾患および二次性副甲状腺機能亢進症患者におけるシナカルセトの有効性

【研究背景】
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)は、慢性腎疾患(CKD)患者が発症する合併症として一般的です。シナカルセトは治療の選択肢となるものの、透析を受けていない患者に対する使用については議論の余地があります。したがって本研究の目的は、腎代替療法(RRT)および腎移植(RT)なしで、CKD患者およびSHPT患者におけるシナカルセトの有効性と安全性を評価することです。

【方法】
レトロスペクティブな観察研究が実施されました。2010年から2011年の期間に、対象となった被験者は承認適応症外使用の形でシナカルセトを手渡されました。その後被験者は、シナカルセトでの治療開始から1年間モニタリングされました。

【結果】
計37名の被験者の内、38%が慢性腎疾患(CKD)のステージ3、51%がステージ4、11%がステージ5に分類されていました。ベースラインでの平均PTH値は400.86 ± 168.60 mg/dlでした。治療開始12ヶ月後、67%の被験者が少なくともPTH値の30%減(p<0.001; CI 49.7–83.6)を達成し、全体のPTH値平均減少率は38% (p< 0.001; IC -49.1, -27.5)でした。被験者の28%は、KK/DOQI(Kidney Diseases Outcomes Quality Initiative) ガイドラインとなるPTH値(p = 0.003, CI 12%-50%)に到達しました。12ヵ月後の平均血清カルシウム値は6%低下し、平均血清リン値は13%増加しました。19%の被験者が低カルシウム血症を発症しましたが、高リン酸血症の発症に関しては24%の増加が見られました。被験者の25%が、1年経たない内ににシナカルセトの服用を中止していました。主な中止理由は、胃腸やその他不快感(8%)、低カルシウム血症(8%)、指示の不履行(3%)、そのた医薬品との相互作用(3%)、効果の過剰(3%)でした。

【結論】
シナカルセトは、透析を受けていないCKDおよびSHPT患者に有効であることが分かりました。また電解質の不均衡は、ビタミンDおよび類似体、リン吸着薬の投与によって管理可能です。

PMC Journals, 2016年9月2日
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5010289/