週末に眠るだけでは「寝不足」は解消しない

週末に睡眠不足を取り戻そうとする人にとって、フランスの研究者たちからの悪い知らせがあります。

土曜日と日曜日が過ぎ去ってもまだ深刻な睡眠不足が現れます。

この発見は、平日に通常6時間以下しか睡眠をとらない大人を中心に見られました。

研究著者であるダミアン・レガー博士は、これはほとんどの人が1晩に必要とする7時間〜8時間の睡眠よりはるかに少ないと述べています。

彼は、パリの公共援助病院にあるホテルデューセンターオブスリープアンドビジランス（Hotel Dieu Centre of Sleep and Vigilance）の責任者を務めています。

このような「睡眠時間が短い人」は、調査に参加した12,000人を超える参加者の3分の1以上を占めました。

そしてほぼ4分の1は彼らが非常に深刻な平日の「寝不足」を抱えていたと述べました。

つまり、平日に記録した睡眠時間は、実際に必要な睡眠時間よりも少なくとも90分短いということです。

「しかし私たちの調査では、睡眠不足の人の約75％は、週末や昼寝でもっと睡眠をとるなどの方法を見つけることができませんでした。」

その理由は複雑ではありません。

「結局のところ、彼らはおそらく週末の寝だめや昼寝に時間をかけていなかったでしょう。または、騒々しい環境、ストレス、または自宅での子供など、睡眠状態が悪かったために彼らのいわゆる睡眠負債は回復しなかったのです。」

フランスの研究参加者は、定期的な国民健康調査の一環として、電話で、睡眠習慣について調査が行われました。

毎日の平日の睡眠の平均量は、6時間42分で固定されていました。

週末には、その数値は7時間26分に上昇しました。

回答者の4分の1以上（27％）が、週に少なくとも1回は昼寝をし、約3分の1が週末に昼寝をしたと答えています。

それでも、深刻な睡眠不足の男性と女性では平日の慢性的な睡眠不足を補うのに十分な睡眠を確保することができたのは、18%だけです。

特に男性ではとりわけ悪く、週末に睡眠を取り戻すことができたのは15％だけでした。

それは深刻な問題だとレガー博士は述べました。そして、おそらく何百万人に影響しているでしょう。

「成人の約3分の1は毎日睡眠不足です。」

と彼は述べました。

「そして、それは西側諸国で、特に都市部では非常に一般的です。」

何が原因となっているのでしょうか。

レガー博士は、夜間勤務、交代勤務、職場と自宅間の長い通勤時間、スマートフォンなどのテクノロジーへの過度の愛着を指摘しました。

懸念されるのは、時間の経過とともに、睡眠負債が肥満、2型糖尿病、心臓病、うつ病や偶発的なけがなどのさまざまな健康上の問題につながる可能性があることです。

カリフォルニア大学バークレー校の人間睡眠科学センターのアダム・クラウゼ博士は、慢性的な睡眠不足が広範な公衆衛生問題であることに同意しました。

「米国疾病予防管理センターは、アメリカ人の約35％が一晩7時間未満の睡眠であると推定しています。また、睡眠の量は過去数十年で着実に減少していますが、現在は横ばい状態になっている可能性があります。」

と、クラウゼ博士は述べました。

「睡眠不足は全身ストレスの強力な原因となります。」

と、クラウゼ博士は追加しました。

「つまり、DNAから細胞、臓器、仕事や運動でのパフォーマンスに至るまで、身体のあらゆるレベルの機能に影響を与えます。」

しかし、彼は、単に十分に定期的な睡眠をとること以外に、単純な治療法がないというのも問題だと警告しました。

「昼寝は、多くの場合、夜間に十分な睡眠が取れない人にとっては素晴らしい解決策です。しかし、真に不眠症の人にとっては、昼寝は、夜間に眠れなくなってしまうため、問題を悪化させることがよくあります。」

とクラウゼ博士は説明しました。

「一般的に、一貫性が鍵となります。」

と彼は付け加えました。

「私はこれを健康的な食事のように考えています。週に2日、健康的な食事を摂ることは全くそうしないよりはましですが、週に2日間健康的に食べることで、残りの5日間の不十分な食事によって引き起こされる損傷を元に戻すことができません。睡眠のための最高の食事は十分で一貫性のあるものです。」

その考えは、シアトルのワシントン大学医学睡眠センターの神経学教授であり、アメリカ睡眠医学アカデミーの前会長を務めたナサニエル・ワトソン博士にも支持されました。

「それはすべての優先事項です。私たちの時間とは無制限の関係があります。

私たちは健康的な睡眠を選択しなければなりません。それは自然に起こることではないのです。」

「週末に長く寝ることはスタートとしては良いです。」

とワトソン氏は付け加えました。

「しかし、通常、1日か2日の睡眠の延長では、慢性的な習慣的な睡眠不足に完全に対処することはできません。」

彼の処方箋は、

「疲れたときに寝て休息から目を覚ます。これを2週間から3週間行うと、睡眠不足が解消されます。」

レガー博士と彼の同僚によるこの研究は、最近、Sleep Medicine誌のオンライン版に掲載されました。

【以下のリンクより引用】

Medical Xpress