運動はIQを高める

Mayo Clinic Proceedingsに掲載されたとある研究によると、有酸素運動、つまり血液循環を高める活動は、健康的な脳と関連しているといいます。
具体的に言うと、心肺持久力は、認知機能低下や加齢に関連する脳の領域である灰白質の健康状態と、総脳容積に関連しています。

この研究では、ドイツ人の成人2,013人を対象に心肺持久力を測定したところ、心肺持久力が高い（MRI検査や人は最大酸素摂取量などを元に測定）人は、灰白質の総容量が多いことがわかりました。
灰白質は、量が多ければ多い程、知能レベルが高くなることが判っています。
研究データでは、有酸素運動が、脳の健康状態を改善し、加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることに役立つ可能性が示されました。

「有酸素運動には、体の調節機能があるだけではなく、認知機能にも良い影響を与えるというエビデンスが間接的に提示されました。」と、ロナルド・ピーターセン博士は述べています。
彼はメイヨークリニックの神経科医であり、この研究の論説を著しています。
「この研究に関してもう一つ重要な部分は、この調査結果は高齢者にも当てはまる可能性があるということです。中年期に運動を行うことの価値は既に示されていますが、高齢期の脳にも良い影響がある可能性が示されれば、運動に対するモチベーション向上につながります。」


＜脳の健康状態を向上させる方法＞
繰り返しになりますが、有酸素運動とは、心臓の循環機能を高める活動を指します。（そして、活動方法は人によって異なります。）
例として、次のような活動が挙げられます。

• 早歩き
• ランニング
• 自転車
• ハイキング
• 水泳
• テニス

自分が楽しいと感じる活動を見つけましょう。
楽しむことができれば、継続しやすくなります。
活動量については、どの程度を目指せば良いのでしょう？
これについては、週150分中等度の運動を行う、アメリカ合衆国保健福祉省の推奨に従ってみましょう。
短時間の運動に分割し、1週間にわたって分散させることもできます。

しかし、心肺持久力の全てが運動と関連している訳ではありません。
メイヨークリニックの専門家によると、取り入れるべき健康習慣は他にもあるといいます。
これには、以下が挙げられます。

• 禁煙する

喫煙者は、直ちに禁煙しましょう。
タバコが肺や心臓、体全体に悪影響を及ぼすことは明白です。

• 健康的な食生活を送る

米国心臓協会によると、全粒穀物、多様な果物や野菜、ナッツ、豆類、皮無しの鶏肉、魚、低脂肪の乳製品を多く取り入れ、飽和脂肪やナトリウム、赤身肉、過剰な砂糖を制限した、心臓の健康に良い食事を摂ると良いといいます。

• コレステロールと血圧を管理する

コレステロール値や血圧が高いと心血管リスクが高まります。
メイヨークリニックによると、運動し心臓の健康に良い食事を摂ることでこれらの値を下げることが出来る他、一部の症例では医師が薬を処方することもあると言います。

• 血糖値を下げる

血糖値が高い状態が続くと、心臓や体の他の部分に悪影響を及ぼすことがあります。

• 健康的な体重を保つ

太りすぎていると、健康リスクが上昇します。
体重を健康的な値にするためには、運動と健康的な食生活が鍵となります。

出典 2020年1月11日更新 health central『Workout Motivation: You’ll Boost Your IQ, Too』2020年1月21日に利用）
https://www.healthcentral.com/article/exercise-improves-brain-health-and-gray-matter