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JapanRx / 遺伝による子供の睡眠障害は複数の健康問題に関連する

遺伝による子供の睡眠障害は複数の健康問題に関連する

イギリス・カーディフ大学の科学者は、最も一般的な遺伝的状態の1つである『22q11.2欠失症候群(22q)』の小児および青年の睡眠パターンを研究しました。

研究者たちは、17歳以下のグループの3分の2(60%)近くが不眠症やよく眠れないなどの睡眠障害を経験していることを発見し、そして彼らの多くは順番にADHD、不安障害、行動障害などの症状がありました。

さらに、睡眠障害のある人は、運動の問題を抱えている可能性が高く、それにより、手が不器用になり、計画能力が低下している可能性があります。

ディ・ジョージ症候群としても知られる22qの子供は、精神的健康状態が悪い可能性が高く、後年には精神病性障害や統合失調症を発症するリスクが最も高くなります。

心臓の状態や免疫の問題、口蓋裂や、発話の遅れ、てんかんなど、22qに関連する他のさまざまな健康上の問題があります。

また、発達障害や運動障害、学習障害を引き起こす可能性もあります。

この研究は、カーディフ大学の『ECHO研究』に関係する学者によって実施されました。

ECHO研究は、遺伝状態の知識をさらに深める研究で国際的に知られています。

ECHO研究を率いる医学部のマリアンヌ・ヴァン・デン・ブリー教授は、次のように述べています。

「親はしばしば22qの子供の睡眠障害を心配します。これは、この状態の子供に睡眠障害がどのくらいの頻度で発生するかを体系的に調査した最初の研究です。」

睡眠研究に関する研究論文の第一著者であるヘイリー・モールディング博士は、次のように述べています。

「この研究は、一般の人々の睡眠と精神的健康の関係についてのより深い理解も与えてくれます。睡眠の問題は精神的健康問題のリスクを高め、精神的健康の問題は睡眠の質に影響を与える可能性があります。これは悪循環につながる可能性があります。さらなる研究が最終的にこのサイクルを破り、改善された介入を知らせることを願っています。」

 

22qの影響を受ける人の推定数は4,000人に1人から2,000人に1人の範囲です。しかし、全ての個人が診断を受けることが可能ではないため、実際の数値は現在の推定よりも高いと予想されます。

生まれてすぐに22qと診断された14歳のジョシュア・アーマー君は、弟のイーサン君と一緒に睡眠研究に参加しました。

ジョシュア君は、生後数日以内に22qと診断されました。

医師は心臓の欠陥を検出しました。彼の最初の手術は生後8ヶ月の時でした。

彼は、今までの人生の中で、           脊柱側弯症という脊椎がねじれて横に曲がってしまう病気を含め様々な健康上の苦情を経験してきました。

母親のビクトリアさんは、睡眠も大きな問題だと述べました。

 「彼はいつも夜中ずっと起きていました。」

と彼女は言います。

「彼は足の痛みと背中の痛みを感じています。そして悪夢を見ることがあり、またまず最初に眠りにつくのに苦労し、そして眠りについても目覚めると再び眠るのが困難だと感じています。」

「それは大きな影響を及ぼします。そのことは彼が学校でどんな一日を過ごすかということに影響します。疲れは彼の介護をする私だけでなく、家族全員に影響を与えます。」

また、9歳の子の母でもあるビクトリアさんは次のように付け加えました。

「ECHOスタディに参加できたことは素晴らしかったです。私たちが22qの理解を深めることに貢献していると感じることができて良かったです。」

 

この研究論文「睡眠障害と『22q11.2欠失症候群』の若者の精神病理学および認知との関連」は、Psychological Medicine誌に掲載されています。

 

【以下のリンクより引用】

Sleep problems in children with genetic condition linked to multiple health issues

Medical Xpress