遺伝子によりエンコードされたタンパク質が膵臓癌の早期発見に有効
癌エキソソーム上に存在する遺伝子グリピカン1(GPC1)によってコ
ードされるタンパク質は、潜在的に外科的治療に適した段階で、早期膵
臓癌を検出するための潜在的な非侵襲性の診断およびスクリーニングツ
ールの一部として使用できることが、テキサス大学MDアンダーソンが
んセンターの調査でわかりました。
エキソソーム癌細胞によって放出される小さなウイルスサイズの粒子は
、DNA、RNAおよびタンパク質を含みます。科学者により単離され、
膵臓癌患者の血液からGPC1に富む循環エキソソームを監視し、GPC1
+crExosと呼ばれます。
「GPC1 + crExosは約250人の膵臓癌患者からの少量の血清から検出
されました。患者は、絶対的特異性と感受性、早期および後期膵臓癌を
有するものから慢性膵炎の患者などに重点を置いて区分されました。」
と、癌生物学のRaghu Kalluriluri教授は述べました。
GPC1 + crExosのレベルは、腫瘍の外科的除去後の患者に著しく低く
、その調査結果はThe natureの2015年6月24日号に掲載されている
と氏hは述べています。
研究では、健康なドナーおよび乳癌、膵臓癌患者からcrExosを検討し
高架GPC1 + crExosは、両方の癌患者において見られました。
「GPC1 + crExosが検出され、新鮮な血液を大量に必要とする腫瘍細
胞(CTCの)の循環とは異なり、ほぼ30年前に冷凍庫で保存した血液
サンプルで単離することができる。DNA、RNAおよびタンパク質は、
さらに遺伝的および生物学的分析のために保存された検体から分離され
た癌のエキソソームから単離することができる。
そのため、がんエキソソームは単にバイオマーカーではなく、それらを
分離することは癌特異的な情報の宝庫を提供します。」
と氏は続けました。
GPC1 + crExosは、一般的に使用されたCA 19-9のバイオマーカーよ
りも信頼性の高い検査方法であるように思われます。マウスでの研究で
はGPC1 + crExosが、MRIによって膵疾患の徴候を示さなかった時に
膵臓癌のマウスモデルにおける膵臓癌の可能性を検出したことがわかり
ました。
MRIやCTのを使用して膵臓癌患者に一般的に行う検査では、多くの偽
陽性の可能性があるにもかかわらず、非常に高価であろう。我々の研究
はGPC1 + crExosを画像診断と早期発見への応用の組み合わせという
ことに重点を置いて膵臓癌の検出とモニターリングツールとしての潜在
性を示唆しています。」とデビットピュ二カ医学博士は述べました。
「なぜなら膵臓癌の特異的な遺伝学は、これらのエキソソーム中に検出
することができるため、MRI画像やCTのの特異性を高めるために大き
な可能性がある。癌を早期に検出した場合、膵管十二指腸切除術または
ウィップル法を伴う手術は、膵臓癌患者の治療に有効でありえます。
多くの場合、膵臓癌は後期の段階で診断されているので、患者の約15%
しか手術を受けることができません。
患者の病期と手術後の結果とを比較した研究では、疾患がより早い段階
で診断された場合には、膵臓癌の死亡率は減少するであろうことを示唆
しています。」
「この方法は膵臓癌の早期発見のために有益で、かつ治癒の可能性が大
きい外科的選択を立案する上で前例のない機会を提供します。」
と、 Kalluriluri教授は述べています。
出典:
テキサス大学MDアンダーソン癌センター