遺伝子検査により一部の結腸がん患者では化学療法を安全に省ける

2022年6月7日（ヘルスディニュース）-　血液検査は、一部の結腸癌患者が手術後に不必要な化学療法を受けるのを防ぎ、治療の恩恵を受ける人々がそれを確実に受けられるようにする可能性があると研究者らは報告しています。

『循環腫瘍DNAテスト（ctDNA）』は、癌性腫瘍によって放出される微量の遺伝物質を探します、とボルチモアのジョンズホプキンス大学医学部の胃腸病学および肝臓学長である共同研究者のアン・マリー・レノン博士は説明しました。

レノン博士によると、血液中に癌DNAが存在することは化学療法が必要とされる可能性が高いことを示しています。

この検査により、手術後にフォローアップ化学療法を受けたステージ2の結腸がん患者の数は、標準的ながん治療を受けた対照群の28％に対して15％とほぼ半減しました。

同時に、両方のグループは、2年間の無再発生存の可能性が本質的に同じであり、血液検査グループで93％、定期的なケアを受けたグループで92％でした。

「その収益に違いはありませんでした。これは、ctDNAを使用して患者の治療を導くこの種の最初の研究です。」

とレノン博士は述べています。

「これは、循環腫瘍DNAを使用して癌治療を実際に個人化できることを示した最初の研究です。」

アメリカ臨床腫瘍学会（American Society of Clinical Oncology, ASCO）によると、2022年に米国で約151,000件の新しい結腸がんの症例が診断されると予想されています。そしてそれに続き、推定、約52,580人が亡くなると予想されています。

この臨床試験で、研究者はオーストラリアとニュージーランドで手術可能なステージ2の結腸がんの患者455人を募集しました。

レノン博士によると、ステージ2というのは、結腸がんは腸の内壁を通過しているものの、リンパ節には拡がっていない状態です。

レノン博士によると、ステージ2の結腸がん患者の約80％は腫瘍の外科的切除のみで治癒し、20％はフォローアップ化学療法を受けない限りがんが再発することが知られています。

この研究では、患者の3分の2が、手術を受けてから約4週間後にctDNA血液検査を受けるようにランダムに割り当てられました。

残りは、除去された癌を調べ、それが結腸でどのように広がったかを評価した後に診断を下すことによって、現在の方法で評価されたフォローアップ化学療法を行う必要がありました。

研究者によると、術後化学療法を受けctDNAの結果が陽性の患者は、3年間の無再発生存率が86％でした。

研究者らは、土曜日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会（ASCO）の年次総会で、この研究を発表しました。

臨床試験の結果は、ニューイングランドジャーナルオブメディシンにも掲載されました。

ASCOのチーフメディカルオフィサーであるジュリー・グラロー博士は、この研究により、ステージ2の結腸がんの治療方法が変わる可能性が高いと述べています。

「もし私が患者だったら、確かに私のctDNAが何を示したか知りたいでしょう。」

とグラロー博士は述べました。

「そして、これは本当にかなり堅実なデータだと思うので、米国の標準治療に影響を与える可能性が高いと思います。」

この検査は、吐き気、嘔吐、倦怠感、潜在的な神経損傷など、化学療法による衰弱という副作用

から多くの人々を救うだろうとレノン博士は述べました。

同時に、医師が化学療法を躊躇しているとしても、リスクの高い人々が化学療法を受ける可能性が高くなります。

「多くの場合、高齢者に化学療法を行うことを躊躇います。」

とレノン博士は述べました。

「ctDNA陽性の場合、再発のリスクが非常に高いことがわかっています。年配の方でも、化学療法を受ける必要があります。」

グラロー博士とレノン博士は、これは米国内で、どこにいても結腸がん患者のためにすぐに実施できるプロセスであることを付け加えました。

このような血液検査を社内で実施できるのは、主要な癌センターだけですが、同じ分析のために血液を送ることができる専門の研究室があると研究者らは付け加えました。

「一度に大量の検査案件を扱い、それを非常にうまくやっています。費用は劇的に下がりました。」とレノン博士は述べました。

「それは誰もが受けられるものなのです。」

次のステップでは、ctDNA検査を受けて、それが結腸がんの後期や他の種類のがんにも適用できるかどうかを確認することで、化学療法の恩恵を受ける可能性のある人を判断するのに役立たせると、レノン博士は述べました。

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Healthday

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