配偶者から老化についての不平を聞くと健康を害するかもしれない
2020年11月7日- 年配の夫婦では、配偶者の老化に対する否定的な考えが相方の健康に影響を与える可能性があることが新しい研究で示されています。
また、こういった影響は性別によって異なることもわかりました。
老化についての妻の見方は夫の身体的健康と関連しており、一方で老化についての夫の見解は妻の精神的健康と関連しています。
ミシガン大学のソーシャルワークの教授で研究の共著者であるリディア・リー氏によると、この調査結果は、老化について否定的な見方が現実となってしまう可能性があることを示唆しています。
研究者らは、50歳以上の約6,000人のアメリカ人とその配偶者からのデータを分析しました。
彼らは、老化に対する否定的な見方が少ない女性は、自分の健康状態に気を使い、夫にもヘルスケアを求めて医師のアドバイスに従うように促す可能性が高いことを発見しました。
しかし、老化について否定的な見方をしている女性は、自分自身や配偶者の健康を守ろうとする可能性が低くなります。
Journal of Aging and Health誌で最近発表された研究によると、研究者たちはまた、老化に関する夫の否定的な見方が妻の抑うつ症状に影響を与える可能性があるものの。身体的な健康には影響を与えないことを発見しました。
「老化に対する夫の自己認識が妻の身体的健康と関連していないという事実は、通常、夫婦という関係の中でヘルスケアの管理を行っているのは女性であることをさらに支持しています。」
と中国・浙江大学の社会学の准教授である研究主執筆者のメン・シャ・ルオ氏は述べました。
この研究で特定された性差は、医療関係者が高齢者の健康を改善するプログラムを作成する際に配偶者の影響に注意を払う必要があるということを示しています。
たとえば、夫が大きな健康上の問題を抱えている場合は、老化についての妻の見方だけでなく、夫自身の見方も改善することが役立つかもしれないとルオ氏は示唆しています。
そして、妻に抑うつ症状があるのなら、自分自身と夫の老化に対する否定的な見方を改善する努力をすることがメリットになるかもしれません。
以前の研究では、男らしくないと考え、多くの成人男性が健康上の問題を認めたり、それについて助けを求めたりすることに消極的であることが示されています。
ミシガン大学のニュースリリースで、ルオ氏は、次のように述べています。
「こういった男性にとって、妻と関わることは最も適した方法であり、夫と妻の両方にとってメリットとなる可能性があります。」
【以下のリンクより引用】
When Your Spouse Gripes About Aging, It Might Harm Your Health
Healthday