針の交換プログラムがHIVを防ぐ
2019年11月12日(HealthDay News)- 米国の2つの大都市での針交換プログラムにより、数千件にのぼる新しいHIV感染が防止され、何億ドルもの 治療費が節約されたことが研究で示されています。
注射針、または注射器交換プログラムは、この10年間で、フィラデルフィアのほぼ10,600件のHIVの新規症例、ボルチモアでは、ほぼ1,900件のHIVの新規症例を防止し、都市の大幅な節約につながったことが新しい研究で分かりました。
「注射器交換プログラムへのわずかな投資で、治療費を大幅に節約できます。」
と、主任研究者のモニカ・ルイス氏は述べています。
彼女は、アメリカ・ワシントンD.C.にあるジョージワシントン大学ミルケン研究所公衆衛生学部の准教授です。
「注射器交換プログラムは、特にオピオイドの流行の対処に苦しんでいるコミュニティにおいてはHIVの広がりを阻止する強力な方法です。」
と、ルイス氏は大学のニュースリリースで付け加えました。
このプログラムは、注射薬の使用者に滅菌注射器具を提供して、HIVを広める可能性のある針の共有を減らします。
注射薬を使用するほとんどの人は、公的健康保険に加入しています。
フィラデルフィアでは、新しいHIV症例の減少により、毎年約2億4300万ドルを節約しました。その一方でボルチモアでは、年間約6200万ドルを節約したと研究者は結論付けました。
この研究では、HIV感染者の生涯にわたる費用と注射針の交換プログラムの費用も調査されました。
調査員は、注射器交換プログラムへの1年間の投資収益は、フィラデルフィアでは1億8,300万ドル近く、ボルチモアでは約4,700万ドルであることが わかりました。
研究者によると、この調査結果は、政策立案者が針交換プログラムへの資金提供の利点を理解するのに役立つ可能性があります。
「注射薬を使用している人に清潔な注射器を使用できるようにすることは、HIVを回避するのに役立つだけでなく、薬物治療プログラムの利用を含め 他の健康サービスを使用するのに役立ちます。」とルイス氏は言います。
「このようなプログラムは、新しいHIV症例の減少や公的資金によるHIVケアのコスト削減など、コミュニティに大きな公衆衛生と社会的利益をもたらし ます。」
この研究は、AIDS後天性免疫不全症候群誌のオンライン版において12月1日に公開される予定です。
【以下のリンクより引用】
Needle Exchange Programs Guard Against HIV
HealthDay