電子タバコが肺疾患のリスクを3倍増加させる
シカゴ(ロイター)-電子タバコを使用すると、喘息や肺気腫などの慢性肺疾患を発症するリスクが大幅に増加する、と米国の研究者は述べました。
American Journal of Preventive Medicine誌に掲載されたこの研究は、電子タバコの使用について潜在的に、長期での有害性を示した最初の研究の1つです。
電子タバコは、煙草のより安全な代替手段および喫煙者の禁煙を支援する手段としてよく宣伝されています。
電子タバコは、喫煙経験がなかったり電子タバコの蒸気を吸ったことがない人と比較して、肺疾患のリスクを3分の1増加させることがわかりました。
そして、そのリスクは、電子タバコと喫煙タバコの両方を使用した成人の間でさらに高くなりました。
この研究は、米国が直面している若者の電子タバコへの危険から行われたものです。
米国疾病対策予防センター(CDC)によると、米国の高校生の27.5%以上が電子タバコを使用しています(2018年の20.7%から増加中)。
「電子タバコは無害なものとして宣伝されていますが、そうではありません。」
とカリフォルニア大学サンフランシスコ校たばこ規制研究教育センター長のスタントン・グランツ氏は電話インタビューで述べています。
グランツ氏と同僚は、CDCの『タバコと健康の人口評価(PATH)』で調査された32,000人の成人に関するデータを使用しました。
ここでは電子タバコや喫煙の習慣、および2013年から2016年までの新しい肺疾患の診断について追跡されました。
研究の開始時には、誰にも肺疾患はありませんでした。
3年後、研究者たちは、電子タバコを使用した人は、喫煙や蒸気を吸ったことがない人と比較して、喘息、気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患を発症するリスクが約30%増加することを発見しました。
喫煙者は、喫煙したことがない人と比較して、慢性肺疾患のリスクが約2倍でした。
従来のタバコ製品と電子タバコの両方を吸っていた人でのリスクは3倍以上になったことを研究は発見しました。
「私を含め、誰もが電子タバコは煙草のようではあるが、それほど悪いものではないと考えていました。タバコの代わりに数本の電子タバコを使用する方がたぶん良いのでしょう。」
とグランツ氏は述べました。
「しかし実際は悪い方向へ向かっているのです。電子タバコは、肺疾患に関して独特のリスクをもたらします。」
過去の研究では、一定の時点での人口の断面のみを見てきました。
ノースカロライナ大学医学部の生理学者であり、この問題に精力的に取り組む専門家であるロバート・タラン氏は、この新しい研究は肺のリスクを経時的に調べるためにより堅牢であると考えられると言います。
「この研究は、電子タバコが安全ではないことを示す証拠が増え続けていることを示しています。」
と、タラン氏は述べています。
【以下のリンクより引用】
Vaping increases the risk of lung disease by a third: U.S. study
Reuters