顔面麻痺に苦しむ多くの人には感情的な負担がある
2020年2月4日(HealthDay News)- 毎年、数十万人のアメリカ人がさまざまな原因から何らかの形の顔面神経麻痺を発症しています。
新しい研究によると、顔面の制御と表情の喪失は、時には壊滅的な恥辱感を生み、うつ病、不安をもたらす可能性があります。
これは、顔面麻痺が出生時からではなく、人生の後半に来た人々に特に当てはまるようだと研究者は述べています。
顔面神経麻痺を引き起こす可能性には多くの状態があります。
先天性のもの、または生まれついてのものもあります。他のものは人生の後半に発症します。顔面神経麻痺の一般的な原因は脳卒中です。
「私たちは、顔面麻痺のある人が経験するかもしれない心理社会的要因として、顔面麻痺を患った人と比較して、生まれついてその状態であった人と比較して、違いがあるのかなどに興味がありました。」
と研究著者のキャスリーン・ボガート氏は述べました。
彼女はオレゴン州立大学の障害者および社会的相互作用研究所の所長です。
「うつ病と不安の主要な予測因子を調べてみると恥辱が主なものでした。これらの状態の多くは外見上はその前と同じように見えますが、恥辱という部分は変わりません。」
とボガート氏は言いました。
彼女は、顔面麻痺に対する一般の認識が驚くほど少ないと言いました。
また、その麻痺は簡単に認識できない場合があります。
「そういった人々の顔は表情が豊かではないかもしれませんし、表情は珍しいかもしれません。笑顔は苦笑いのように見えるかもしれません。」
とボガート氏は説明しました。
研究者によると、毎年約225,000人のアメリカ人が顔面神経麻痺を発症しています。
メビウス症候群や出生時の外傷などの先天性疾患が、顔面神経麻痺を引き起こす可能性があります。
けがやベル麻痺などの状態は、後天性顔面神経麻痺を引き起こす可能性があります。後天性麻痺はより一般的です。
研究者は、先天性顔面神経麻痺の112人と後天性顔面麻痺の434人について調査しました。
ボランティアは37か国から集められましたが、その大半は米国からでした。
平均年齢は45歳でした。
両方のグループは、一般人口よりもうつ病と不安の割合が高い人々でした。
後天性顔面神経麻痺のある人は、最も重度のうつ病と不安があったことを研究は発見しました。
後天性麻痺のある人にとっては何が難しくなるのか
ボガート氏は、先天性麻痺のある人が適応行動または代償行動を発症した可能性があると述べました。
一般的に、子供は幼い頃から非言語的コミュニケーションの一形態として表現を使用することを学びます。
それは顔面神経麻痺の子供たちにとっての選択肢ではなかったので、彼らは他のコミュニケーションの方法を見つけました。
彼女は、幼い子供たちが新しい言語を習得するのが得意である一方で、大人はもっと苦労するように思えることを例に挙げました。
「1歳〜3歳のときに言語に出会わない場合、後で新しい言語を習得するのはより難しくなります。非言語的感情でも同じことが起こっている可能性があります。」
とボガート氏は述べました。
ニューヨーク市のレノックスヒル病院の上級神経心理学者であるブリタニー・レモンダ氏は、研究には関わっていませんでしたが、この調査結果をレビューしました。
彼女は次のように述べました。
「生まれつきこの種の神経学的症状がある人は、彼らの社会的関係を調整し、発達させることを学ぶでしょう。しかし、もしその能力を持たず、人生の後年になって顔面麻痺を経験したのならば、適応する方法を学ぶことがより困難になる可能性があります。」
レモンダ氏は、世間は化粧による美しさと外見に非常に焦点を当てています。そして、人生の後半に麻痺が起こると、人々はたとえ実際はそうでない場合でも、あたかも他人にじろじろ見られているように感じ、自意識過剰になる可能性があると指摘しました。
彼女は、顔面神経麻痺で問題を抱えている人は誰でも、支援団体を探すことができると勧めました。同じ懸念に対処した人と話をすることでメリットを得られるからです。
レモンダ氏は、それに対処する方法を提供できるセラピストと話すことも役立つと述べました。
ボガート氏は、次のように付け加えています。
「違いに気付くのは人間の本性ですが、顔の表情と外見の多様性に対して許容度を高めることが重要です。顔面神経麻痺のある人はそれ麻痺自体に対しては、悲しくも不安もありません。彼らは、社会が彼らに対してどう反応するのか考えると悲しく、不安に思えるのです。」
この研究は最近、Health Psychology誌に掲載されました。
【以下のリンクより引用】
Many Can Suffer Facial Paralysis -- and Its Emotional Toll
Health Day