電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 食後の排便を改善させる方法

食後の排便を改善させる方法

食事の直後に便意を催すことがあるかもしれません。
このとき、食べたものがそのまま出ていると感じる人もいるでしょう。
しかし、それは違います。

実際、食べ物が消化管の旅を終えるには1~2日かかることがあります。
そのため、食事の直後に排便する人は、1~2日前に食べたものを出している可能性が高いでしょう。

食事の直後に便意が起こる原因として最も可能性が高いのが、胃大腸反射です。
この反射は、食物が胃に入った時に起こる正常な不随意反応です。
しかし、胃大腸反射の強さは、人によって異なります。

この記事では、胃大腸反射の最中には何が起こるのか、またこの反射が強まることのある症状について話していきます。


<なぜ起こるのか、これは正常?>
胃大腸反射、もしくは胃結腸反射は、胃に入った食物に対する正常な不随意反応です。

食べ物が臓器に入ると、体がホルモンを放出し、これが大腸を収縮させます。
この収縮により前に食べた食べ物が消化器系のさらに奥へ押しやられ、便意を引き起こすことがあります。

人によっては、胃大腸反射が軽く、何も症状が出ないことがあります。
一方、胃大腸反射が強く、食後の便意が極めて強くなることがあります。


<胃大腸反射に影響し得る症状>
特定の健康障害が、胃大腸反射に影響することがあります。
例えば、過敏性腸症候群(IBS)がある人は、消化系が食べ物を動かす速度が、通常よりもはるかに速くなります。

排便速度を通常よりも速める可能性のあるその他の症状には、以下のようなものがあります。

  • 食品アレルギーや食品不耐性
  • 不安
  • 胃炎
  • セリアック病
  • 炎症性腸疾患(IBD)
  • クローン病

上記の疾患はいずれも、胃大腸反射を強めることがあり、結果として食後直ぐに便意が起こる可能性があります。
またこれらは、以下の様なその他の消化障害を引き起こすことがあります。

  • おならや排便によってなくなる鼓腸
  • 頻繁なおなら
  • 腹痛やお腹の不快感
  • 便中の粘液
  • 下痢
  • 便秘
  • 交互に発生する下痢と便秘


<胃結腸反射 VS  便失禁>
便意を引き起こす可能性のあるその他の原因として、便失禁があります。
症状の重症度は、軽度なものから、完全に便意のコントロールがきかなくなる程重度なものまであります。

便失禁を食べ物への胃大腸反射による影響と区別することは比較的簡単です。
特に、便失禁は食後に関わらず、いつでも起こり得ます。

便失禁の発症要因には、以下の様なものがあります。

  • 下痢
  • 直腸内の神経損傷
  • 直腸筋の損傷
  • 直腸壁の損傷
  • 直腸瘤
  • 直腸脱

便失禁が疑われる人は、医師に診てもらい診断を受けましょう。
医師により、便失禁の治療法や抑制法の説明を受けられることがあります。


<胃大便反射 VS 食後の下痢>
食後に下痢が起こる場合は、胃大便反射とは関係ない可能性があります。

下痢の持続期間は通常1~2日です。
しかし、1週間以上下痢が続く場合は、根底にある健康障害の兆候である可能性があります。

持続する下痢を引き起こす原因には、次のようなものがあります。

  • 人工甘味料やその他緩下剤の過剰摂取
  • 食品由来の細菌や寄生虫
  • 食品不耐症
  • 食費アレルギー
  • 消化器疾患
  • ウイルス感染
  • 胆石除去など、過去の腹部手術


<医者にかかるタイミング>
胃大腸反射は、食べ物が胃に入ることで起こる正常な反応です。
ほとんどの場合、食後の便意があるたけでは医者にかかる必要はありません。

しかし、以下に当てはまる人は、医師の診察を受ける必要があります。

  • 食べ物への強い胃大腸反射が、頻繁に起こる
  • 3日以上下痢が持続する
  • その他の消化器症状がある

上記の症状は、根底に健康障害がある可能性を示していることがあります。


<治療や予防>
胃大腸反射は体の清浄な反応ですので、厳密には治療は必要ありません。
しかし、胃大腸反射や、これによる便意を弱めるのに役立つ方法があります。


・根柢にある消化器疾患を治療する
その他の消化器疾患が食後の便意を引き起こしている場合は、医者にかかる必要がありあmす。

医師は症状の持続期間や重度に応じて検査を行い、根底にある健康障害の診断を行います。

症状が持続する場合、これを治療することで胃大腸反射を弱められる可能性があります。


・食事を変える
一部の食品には、他の食品よりも強い胃大腸反射を起こしやすいものがあります。
これには、次のようなものがあります。

  • 脂質や油の多い食品
  • 乳製品
  • 高繊維食品

食品日記を付けることで、胃大腸反射を強める食品の特定に役立つことがあります。
この日記には、食べたものの他、その食べ物に対する消化器反応も記録しておきましょう。

引き金となる可能性がある食品を特定できたら、その食品を一定期間避け、症状が改善するかどうか確認してみましょう。


<ストレスに対処する>
一部の人は、ストレスによって胃大腸反射た強まることがあります。
この場合、ストレスを軽減させる活動を行うことで効果がある可能性がありあmす。
例として、運動や瞑想が挙げられます。


<まとめ>
食事の直後に起こる便意は通常胃大腸反射によるものであり、これは胃に入った食べ物に対する正常な体の反応です。

胃大腸反射は、ほとんどすべての人が経験します。
しかし、反射の強さは個々人で異なります。
特定のライフスタイル要因によって、食後の便意を軽減できることがあります。
食後に下痢や、その他の胃腸症状が頻繁に起こる場合は、医者に診てもらいましょう。
こうした症状は、根底にある健康障害の存在を示しており、治療が必要になる可能性があります。

出典:2019年10月31日更新 Medical News Today『What causes people to poop right after eating?』(2019年12月13日に利用)
https://www.medicalnewstoday.com/articles/326873.php#summary