食物アレルギーは本当に一般的ですか?
食物アレルギーは広範囲にわたる問題です。米国では多くの成人は特定の食品に対してアレルギー反応を起こすと確認されていますが、新しい研究ではそういった恐怖が根拠のないものであると報告されています。
最近の研究によると、食物アレルギーの有病率は増加しています。
米国食品医薬品局(FDA)は、法律で認められている8つの一般的なアレルギー食品として、牛乳、卵、魚、貝、木の実(クルミを含む)、ピーナッツ、小麦、大豆を挙げています。
FDAは、これらの食品とその派生食品がすべてのアレルギー反応の約90%を占めていると推定しています。
これらは、通常は危険ではない皮膚のかゆみや下痢などの不快な症状から、アナフィラキシーと呼ばれる命にかかわる可能性のある反応までさまざまです。
アナフィラキシーでは、人体はアレルギー物質に過剰反応します。
それは体のさまざまな部分ですべて同時に極端な症状を引き起こします。
アナフィラキシーが起きた場合は、常にすぐに緊急医療機関での処置が必要となります。
何百万人もの人々が食物アレルギーを持ちながら暮らしていますが、さらに多くの人がアレルギーを持っていると誤って信じています。
実際には、これらの人々がアレルギーを起こすことはまずありません。
これは、イリノイ州シカゴにあるアン&ロバートH.ルーリー小児病院およびエヴァンストンのノースウェスタン大学の研究者による最近の研究の結論です。
医療誌『JAMA Network Open』に掲載されているこの調査結果は、米国の成人の5人に1人が食物アレルギーを持っていると考えているのに対し、実際には10人に1人しかいないと示唆しています。
成人の19%が、自分にはアレルギーがあると考えている
ルチ・グプタ博士が率いる調査チームは、米国を中心とする4万人以上の成人から情報を収集した代表的な調査から得られたデータを分析しました。
米国の成人の推定2600万人、または成人人口の10%以上が実際に食物アレルギーを持っていますが、グプタ博士と博士のチームは、米国の成人の約19%が彼らが特定の食物に対してアレルギーがあると信じているものの、実はそれは勘違いであることを発見しました。
彼らが報告する症状は食物アレルギーの方向を示していませんでした。
「成人の10人に1人が食物アレルギーを持っていることがわかりましたが、その2倍近くの人が自分の食物に対してアレルギーがあると考えています。しかしその症状は食物不耐性、または、他の食物に関連した症状を示唆しているという可能性はあるもの確かなものではありません。」と博士は言います。
彼女は、多くの人々は、実際にはそうでないのに食物に対しての反応がアレルギー性であると信じ込み不安になり始めると示唆しています。
「食事からその食物を完全に排除する前に、医師による適切な検査と診断を受けることが重要です。」とグプタ博士は言います。
「食物アレルギーが確認された場合はアナフィラキシーの症状やエピネフリンの使用方法と使用時期を理解するなど、管理方法を理解することも重要です。」
成人の間で最も一般的なアレルギー
調査を行ったすべての回答者のうち、食物アレルギーと一致すると思われる症状を報告した人々の中でさえ、専門家がアレルギーと診断したのは約半数のみでした。
また、臨床的に食物アレルギーと診断された人々のうち、重度のアレルギー反応を治療するのに使用されるエピネフリンの処方箋を持っていた人は、25%未満でした。
この研究のもう1つの興味深い発見は、食物アレルギーを持つ成人のほぼ半数が成人になってから少なくとも1つのアレルギーを発症したことです。
「成人発症の食物アレルギーが非常に一般的であることがわかって驚きました。なぜ成人になってから発生しているのか、またどのように予防するのかを理解するには、さらなる研究が必要です」とグプタ博士は述べています。
彼らが米国の成人の間で食物アレルギーの詳細を調べた際、研究者は最も一般的なアレルギーの対象物が以下であることを発見しました。
- 貝(720万人)
- 牛乳(470万人)
- ピーナッツ(450万人)
- 木の実(300万人)
- 魚類(220万人)
- 卵(200万人)
- 小麦(200万人)
- 大豆(150万人)
- ごま(50万人)
「われわれのデータによると、貝類は成人の食物アレルギーのトップであり、貝類アレルギーは一般に成人期に始まり、一生のうちで非常によく見られることを示しています。」とグプタ博士は説明しています。
それでも、なぜそれほど多くの成人が貝に対してアレルギーがあるのか、そしてどのようにしてこのアレルギーの発症を予防するのかについてはなお不明です。
「貝類アレルギーが米国の成人の間で非常に一般的かつ持続的であるように見える理由を明らかにするために、さらなる研究が必要です。」とグプタ博士は結論付けています。
【以下のウェブサイトより引用】