香港の高齢者は引退後、中国での手頃な価格での介護を希望

香港（ロイター）-デビッド・リーさんは、84歳の母親と一緒に中国南部の都市、深圳にある介護老人ホームで過ごした後、ホームの管理人へ自分自身の退職後の入居申し込みを行いました。

香港の国境を越えた56歳のリーさんは、2か月前にアルツハイマー病などの病気にかかった母親を介護老人ホームの　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『イーホンハイツYee Hong Heights』に居を移しました。

それは、彼が母親の世話をすることがより困難となったためです。

彼のように、世界で最も高価な都市の1つである香港を出てより安くてより良い退職後の選択を求めて中国本土に移住する人が増えています。

「私の母は、香港の介護老人ホームの1室への入居が2年待ちの状態でした。そしてここへ入居するまでにかかった時間は2か月だけでした。」

とリーさんは言います。

住宅不足を緩和するための取り組みの一環として、中国の広東省で退職するように高齢者を奨励し、香港政府は懐疑主義からの著しい逸脱を　　　図りました。

その後、多くの人々が文化の違い、医療サービス、および本土での保険適用範囲が十分ではないことを懸念しました。

しかし、本土への高速輸送ラインと、グレーターベイエリアイニシアチブに基づく香港と中国の中央政府による統合が推進されたことが、これらの懸念の一部を緩和するのに役立ちました。

中国の高齢者ケア市場は、2016年の5兆元から、2020年までに7.7兆元（11.2兆ドル）、2030年までに20兆元に成長すると推定されています。　　　　　　これにより、香港や海外からの投資家が殺到しました。

香港の大手都市開発企業であるニューワールドデベロップメント（0017.HK）は、昨年後半に開始した医療およびリハビリテーションの上級サービス　　である「フマンサ(Humansa)」を今年の本土の深圳、仏山、順徳やその他の都市に拡大する予定であると述べました。

これまでのところ、「高品質で個人に合ったサービス」には4億香港ドル（5,113万USドル）が投資されており、香港には約1,000床のベッドがあります。

5年後には、グレーターベイエリアの数を4,000床に増やす予定です。

ベアリングプライベートエクイティ社は最近開催さらた、産業サミットにおいて、グレーターベイエリアの高級住宅に投資する計画があると語りました。

増加するベッド数

これまでのところ、広東省には香港の投資家や非政府組織によって開かれた少なくとも5つの高齢者向け住宅があり、2,000床以上のベッドを提供していることが公式のデータで示されています。

香港の公式調査によると、2016年には65歳以上の香港人77,000人が広東省に居住していました。

香港の労働福祉局は、2026年度には、11,600床の高齢者介護用補助ベッドが不足すると予測しています。これは、約70軒の介護施設に相当します。

香港の顧客にサービスを提供している中国の老人ホームの1室の料金は月1,000　USドル未満で、香港のミッドエンドからハイエンドの施設に　　　　　課金される2,000USドル〜5,000USドルのほんの一部です。

これらの料金を支払えない香港の高齢者は、補助金付きのシニアハウスを平均37か月待たねばならず、それの平均的な部屋の広さは本土の30平方メートルと比較して6.5平方メートルです。

より多くの高齢者が引退後は中国本土で生活することを奨励するために、香港政府は広東省と福建省の恵まれない高齢者への社会保障支援を承認しています。

政府はまた、2020年から2つの州に住む人々に追加の老齢生活手当を付与する予定です。

イーホンハイツは、補助金付きのベッドを割り当てるために香港政府と協力する香港NGOによって運営されています。

しかし、彼らは香港と中国本土の高齢者の両方にプライベートベッドを販売しています。

現在、合計315床のうち190床が香港の人々に占有されていますが、2006年に施設が最初にオープンしたときには10床未満でした。

今後、200台から300台のベッドを追加する予定で、2年間の計画で香港の人々の割合が70％に上昇すると予想しています。

「以前は私たちはまるでセールスマンのように、施設を宣伝するために香港に行かなければなりませんでした。しかし、今では、多くの人々が私たちを訪問するようになりました。」

と、イーホンハイツのジャッキー・モー所長は述べています。

香港とマカオのサービスプロバイダーは、地元の業者と同じように、開発のための社会的資源を利用する場合、建設と運営の補助金を受け取ります。

それでも、「香港の高齢者100％をターゲットにすると、地方自治体にとって見栄えが悪くなります。」とモー氏は言います。

「しかし、地元の中国の顧客をターゲットにしたいのであれば、ここには非常に多くの安価な物件があります。」

業界筋によると、中国の医療保険が不十分であり、中国の医療サービスに対する信頼がないことが、隠居後の香港の人々にとっての最大の障害と　なっています。

「人生のほとんどを香港で過ごしたので、グレーターベイエリアよりも地元の病院の方をよく知っており信頼しています。」

と74歳のリウさんは言います。彼は本土の高齢者介護施設への移動を検討しないだろうと付け加えました。

【以下のウェブサイトより引用】

REUTERS