高山病の薬は、膠芽細胞腫の進行を遅らせる
2018年7月4日に『Science Translational Medicine』誌に掲載発表された研究によると、高病原性疾患(緑内障、てんかん、心不全、発作など)を治療するために使用される薬物は、グリア芽細胞腫と呼ばれる急速に成長する脳腫瘍患者にとっても有効である可能性があります。
シカゴ医科大学の脳神経外科の教授であるバクティアール・ヤミニ医師は、
「ダイアモックスという商品名で販売されているアセタゾラミドは安価で入手しやすく、副作用も少ない」と語りました。
「ロッキー山脈に行くたびに、私はそれを服用しています。」と彼は述べています。
「1日2錠剤」で服用するダイアモックスの最も一般的な副作用は「炭酸飲料を飲むときに金属の味がする」ということのみです。
神経膠腫のための最も頻繁に使用される化学療法は、テモゾロミド(TMZ)と呼ばれる薬物です。しかし、すべての患者がこの薬物に反応するとは限りません。
また、この疾患の生存期間中央値は約14ヶ月といわれています。
TMZは、腫瘍細胞を死滅させるような方法でDNAを損傷することによって作用します。しかし、一部の腫瘍細胞は、このタイプのDNA損傷を阻害または復活する可能性があります。
これにより薬の効果が制限されます。
研究者らは、BCL-3(B細胞CLL /リンパ腫3)と呼ばれる高レベルのタンパク質を有する神経膠腫患者のほとんどが、TMZの有益な効果に対して無反応であることを見出しました。
BCL-3は、炭酸脱水酵素IIとして知られる保護酵素を活性化することにより、癌細胞をTMZ損傷から保護します。
しかしながら、アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害剤で、腫瘍細胞を殺すTMZの能力を回復させることができるのです。
TMZにアセトアゾラミドを添加すると、神経膠腫を有するマウスはより長く生存することがわかっています。
「いくつかの動物モデルでこの併用療法戦略をテストしました。」とヤミニ医師は述べています。
いくつかの動物実験ではそれを治癒させ生存期間は30〜40%増加しました。
ヤミニ医師らは以前行ったヒトの研究からBCL-3レベルを検討したところ、TMZで治療されたBCL-3のレベルが低い患者は、このバイオマーカーのレベルが高い患者よりも長く生存していることを見出しました。
BCL-3のような予測因子の重要な特徴は、それらが有益であることであると著者らは指摘します。
「彼らは治療反応を改善するための経路を特定することができます。これらの経路を調べることにより、テオゾロミド耐性を減少させる方法として、アセタゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害剤が使用されます。」
「我々のデータは、TMZによるCAIIの誘発は治療に対する応答を調節する上で重要だということを実証しています。」
また、テオゾロミドの使用によってどの患者が恩恵を受けるのかを予測するためにBCL-3の使用を検証するには、無作為化臨床試験の前向き試験で検証が必要となる、と著者らは指摘しています。
彼らはまた、アセタゾラミドとテモゾラミドの再使用は、BCL-3発現が高い腫瘍を有する適切な患者のサブグループにおいて特に有効であることを示唆しています。
彼らはすでにいくつかのシカゴ地域の施設での治験を計画しており、まもなく被験者を募るようです。
【以下のウェブサイトより引用】