高度が高い場所での病気
登山や高地へ旅行することで高度が関係した病気にかかる可能性があります。
考えられるのは肺内に流体が蓄積し脳の腫れを引き起こす急性高山病などがありますが、事前に高山病にかかるかどうかを判断するのは不可能です。
物理的には適合しても、高度による病気にかかる率が減少するわけではありませんが、しかし、下記に当てはまる特定の人には発症リスクが高いといわれています。
*以前、高山病など高度の変化による病気の既往歴がある人。
*高度が変化する前にアルコールを飲んだ人。
*急速に上昇した場合。
*心臓や自分の呼吸に影響を与える肺の問題を抱えている人。
【旅の準備として】
もし、高度2500m以上の高地へ旅行する場合、旅行前に医師に相談することをお勧めします。そして、ご旅行の計画、目的地での医療の可用性、高い高度による病気の予防および、治療薬の必要性について話して下さい。
また、下記のような特定の医療条件を持つ人々は、高地での移動時に特別な予防措置をとる必要があります。
*過去に心臓の問題があった場合は、高地へ旅行しても安全であることを医師に確認してください。もし、旅行中に胸の痛み、息切れ、またはめまいを発症した場合は、直ちに医師の診察を受けて下さい。
*肺や心臓疾患のために酸素補充をしている場合は、高地ではより高い酸素流量が必要になります。
*糖尿病である場合、高地で血糖値をチェックすると、血糖測定器の値が不正確になる可能性があることに注意してください。詳しくは血糖測定器メーカーへお問い合わせ下さい。
*鎌状赤血球病である場合、2000mの高地に旅行した場合、おそらく酸素補充が必要になります。
*喘息は、高地では悪化しません。
【高山病(AMS)】
山酔いとも呼ばれ、もっとも一般的な高度疾患です。
普段、高度の低い場所に住む人が2500m以上の高地で泊まった際に、約40〜50%に発生します。
(症状)
1時間以内などすぐに発症する人から、24時間程度経過してから発症する場合もありますが、通常、高地に到着後6~12時間以内に起こります。
AMSの症状は二日酔いに似ているとも言われていますが、下記のような症状があります。
*頭痛
*疲労感
*立ちくらみ
*食欲不振
*睡眠困難(すぐに目を覚ます。)
*吐き気や嘔吐。
AMSの症状は、多くの場合、初日の夜が最悪となり、それ以上高い高度の場所へ移動しなければ、1日程度で改善します。
急性高山病の兆候が見られた場合、症状が解決するまで、より高い高地へ登るべきではありません。
より高地へ登ると、AMSの症状は脳や肺の腫れなどの深刻な合併症に繋がることがあります。
その場合、休息を取り、アルコールの服用を避け、睡眠薬を服用し体の回復を待ちましょう。
(予防方法)
*普段、1500m以下の場所に住んでいる場合、急速に上昇することは避けてください。登山最初の夜は、2500m以上の場所で寝ることは避けます。その後は、1日あたり500m以上登らないで下さい。
*1000m登ったら休息するなど登山計画に余裕を持って登りましょう。
高地へ登り、低地で眠る:ハイキングやスキーなどでは、日中は、より高い高度で活動し、夜はより低い標高の場所に戻って眠って下さい。
*もし普段、カフェイン(コーヒー、紅茶、ソーダなど)を常飲している場合は、旅行前、または旅行中も飲んで下さい。カフェインは、高度の高い場所でも安全ですし、突然止めることでAMSに似た症状を引き起こす可能性があります。
*酸素が必要な場合、酸素吸入による治療で、AMSの症状を軽減することができます。症状が出始めたり、寝ている間、1時間ほど酸素を使用して下さい。
コロラド州とアルプス山脈の多くのホテルは、この目的のために客室内に酸素供給機を置いています。
*以前、高山病にかかったことがあったり、すぐに高地へ登る必要がある場合は、予防薬が推奨できます。
通常、アセタゾラミドと呼ばれる薬で、高地へ登り始める前日に服用を始め、48時間、または、頂上へ到達するまで継続して服用できます。
アセタゾラミドには副作用があり、頻尿、手足のチクチクした感覚、および視力障害などがあります。
また、この薬は妊娠中の女性にはお勧めできませんが、デキサメタゾンは、あなたがアセタゾラミドにアレルギーがある場合に予防的治療として推奨することができるステロイド薬です。
(記事元) http://www.royalgazette.com/joe-yammine/article/20160712