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高等教育は脳の老化防止には役立たない:研究

2021年4月27日 -大学での学位は多くの点で役立つかもしれませんが、新しい研究は、おそらくあなたの脳が年齢とともに縮小するのは妨げないであろうことを示しています。

 

何年にもわたり、多くの研究は、教育が記憶と思考の加齢に伴う低下を和らげるかもしれないことを示唆しました。

しかし、これらの調査結果では因果関係を証明しませんでした。

 

新しい研究では、研究者は人々の教育レベルが脳の老化の客観的なマーカー、つまり脳組織の萎縮または菲薄化に関連しているかどうかを探りました。

 

全体として、調査結果では、強い繋がりは示されませんでした。

 

2,000人を超えるヨーロッパ人のMRI脳スキャンに基づくと、高等教育レベルは、脳組織量の増加とは、「適度に」しか関連していませんでした。

そして、時間の経過とともに、より高等教育を受けていた人は、同学年のそうでない人々と同じくらい早く脳組織を喪失しました。

 

ノルウェーのオスロ大学の教授であるアンダース・フィエル研究員は、次のように述べています。

「年齢とともに発生する変化において、教育は因果的には、保護しないようです。」

 

しかし、アルツハイマー協会の科学プログラムとアウトリーチを指揮するクレア・セクストン氏によると、この研究は教育の他の脳の利点を軽視していません。

 

一つの理論は、教育は加齢に伴う脳の変化を予防するのではなく、人々がそれらの衰退をよりよく緩和させるのを助けるというものだと、セクストン氏は説明しました。

 

教育水準の高い人ほど「認知予備力」が高くなる可能性があると考えられています。

つまり、脳組織自体が老化しても、精神的な鋭敏さを維持できるということです。

 

新しい研究に関与しなかったセクストン氏は、それが重要な情報を提供すると述べました。

 

しかし、彼女は、高等教育レベルを認知症リスクの低下に結び付けている以前の研究の調査結果について、「実際には疑問視されていない」

と付け加えました。

 

セクストン氏は、認知予備能力理論に加えて、認知症の他の危険因子から人々を保護する範囲で、教育が間接的な利益をもたらす可能性もあると述べました。

 

たとえば、高血圧や糖尿病など、心臓や血管に影響を与える状態では、認知症のリスクも高くなります。

セクストン氏によると、教育水準の高い人々は、収入が増え、食事が健康的になり、運動の機会が増え、心血管の健康が改善される可能性があるといいます。

 

フィエル氏は、新しい発見が、「教育が老化にプラスの影響を与える可能性があることには反対はない。」としています。

しかし教育がいくぶん脳の老化を遅らせるかもしれないという考えには異議を唱えていると彼の研究チームは付け加えています。

 

4月26日に全米科学アカデミーの議事録(the Proceedings of the National Academy of Sciences)にオンラインで公開されたこの研究には、29歳から91歳までの2,000人以上のヨーロッパの成人が含まれていました。

全員が最長11年間に少なくとも2回のMRI脳スキャンを受けました。

 

予想通り、認知症の初期段階でしばしば損傷を受ける記憶に関与する構造である海馬を含め、高齢者は若い人よりも脳組織の量が少ないという結果でした。

しかし、教育レベルになると、脳組織の量とは、わずかな相関関係しかなかったことをこの研究は発見しました。

そして、より多くの教育を受けた人々が時間の経過とともに脳組織量の損失が緩和されていたという証拠はありませんでした。

 

人生の早い段階での正式な教育に加えて、生涯にわたって精神的に刺激的な活動に従事することが、加齢に伴う衰退を遅らせるのに役立つかどうかという問題もあります。

 

スウェーデンのウメオ大学の教授であり、この研究の共同研究者であるラース・ナイバーグ氏は、この研究ではそれを取り上げていないと述べました。

 

ナイバーグ氏は、精神的刺激の効果についていくつかの「有望な発見」があったものの、「大規模で縦断的な研究(何年にもわたって人々を追跡する種類)」ではなかったとも述べました。

 

ナイバーグ氏には、最新の調査結果から、より幅広いメッセージがあります。

 

「個人として、そして社会として何に焦点を当てるべきかを知るために、「修正可能」とラベル付けされた要因についてさらに学ぶ必要があると彼は述べました。

 

アルツハイマー協会は現在、認知症の遅延または予防に役立つ具体的な対策をより適切に治療するための試験に対して資金を提供しています。

 

この研究は、ライフスタイル対策の組み合わせが、リスクが高いと考えられている高齢者の精神的衰退を遅らせることができるかどうかについて試験を行っています。

ライフスタイル対策には、運動、高血圧と糖尿病のより良い管理、精神的刺激活動などがあります。

しかし、人々はこういったステップを待つ必要はない、とセクストン氏は述べました。

 

彼女は、健康的なライフスタイルの習慣を始めるのに、「早すぎることも遅すぎることもない。」 と述べました。

 

 

【以下のリンクより引用】

Higher Education Won't Help Preserve the Aging Brain: Study

Healthday