高血圧が子供の出生体重や早産に影響する可能性
スコットランドの研究によって、高血圧や降圧薬への子宮内暴露が子供の健康状態に与える影響に関して、新たな説が浮上しました。
アバディーン大学およびロイヤルアバディーン小児病院に勤めるジェームズS.マクレイ博士は、2010年~2014年の間に発生した25万件以上の出生を調査しました。
調査結果では、治療が必要な高血圧を患う女性は出産が早まる傾向にあるものの、治療の有無によらず高血圧を患う女性は総じて、低体重児を出産する同様のリスクを抱えていることが示されました。
子宮内曝露と抗高血圧薬の影響に関する既存データをさらに詳しく解釈するため、研究者はコミュニティ健康指標(スコットランドで国民保健サービスを利用した全ての患者データが登録されている)のデータを用い、後向きコホート分析を実施しました。
この研究では、計265,488人の子供が調査対象となりました。
研究者はこれらの子供を4つの集団に分け、それぞれ妊娠中の高血圧症状を評価しました。
4つの集団は、妊娠中に抗高血圧薬にさらされた子供、母親が後期に高血圧を発症した子供、母親の高血圧が未治療であった子供、そして対照群として母親が高血圧を患っていなかった子供に分けられました。
マクレイ氏と同僚研究者はこの研究に際して、早産、低体重、緊急帝王切開、在胎月齢に対して体が小さいことを含む、複数の評価項目を確立しました。
研究者は、36週目以前の出産を早産とし、2500グラム未満の出生体重を低体重とし、出生体重が人口の下位10%未満である場合に在胎月齢に対して体が小さいと定義しました。
研究対象となった265,488人の内、2,350人が子宮内で降圧薬にさらされ、4,391人が後期発症の高血圧治療にさらされ、7,971人が妊娠中未治療の高血圧にさらされていました。
最も使用の多かった抗高血圧薬はベータ遮断薬(4,003人; 58.66%)、2種類以上の降圧薬の配合薬(1,403人; 20.53%)、もしくはカルシウムチャネル遮断薬のみ(558人: 8.18%)でした。
高血圧にさらされなかった対照群と比較して、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧を含む、高血圧にさらされた3つの患者集団全てに、緊急帝王切開リスクの上昇が見られました。
未治療の高血圧群と予後を比較した分析では、抗高血圧にさらされた群では緊急帝王切開リスクがわずかに減少したものの、後期発症高血圧群と比較すると、リスクは高くなりました。
曝露のなかった対照群と比較して、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧は、全て早産リスクの上昇と関連していました。
在胎月齢を調節すると、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧は全て、対照群と比較して、低体重児となるリスクが大幅に上昇しました。
在胎月齢ごとの体の大きさに関しては、妊娠中抗高血圧薬にさらされた群、後期発症高血圧群、および未治療の高血圧群において、対照群よりもリスクが上昇したことが示されました。
研究チームは、出生前の抗高血圧薬及び早産には関連がある可能性があり、研究で見られた関連は、高血圧が悪化し治療が必要になる患者の増加を反映している可能性があると結論付けました。
調査結果は、高血圧が低体重児および早産の主な危険因子となることを示唆しています。
「In Utero Antihypertensive Medication Exposure and Neonatal Outcomes: A Data Linkage Cohort Study」と名付けられたこの研究は、Hypertensionで発表されています。
出典 2020年1月13日更新 HCP Live Network『Hypertension May Influence Infant Birth Weight, Preterm Birth Status』(2020年1月22日に利用)
https://www.mdmag.com/medical-news/impact-hypertension-antihypertensive-medication-on-unborn-childre...
アバディーン大学およびロイヤルアバディーン小児病院に勤めるジェームズS.マクレイ博士は、2010年~2014年の間に発生した25万件以上の出生を調査しました。
調査結果では、治療が必要な高血圧を患う女性は出産が早まる傾向にあるものの、治療の有無によらず高血圧を患う女性は総じて、低体重児を出産する同様のリスクを抱えていることが示されました。
子宮内曝露と抗高血圧薬の影響に関する既存データをさらに詳しく解釈するため、研究者はコミュニティ健康指標(スコットランドで国民保健サービスを利用した全ての患者データが登録されている)のデータを用い、後向きコホート分析を実施しました。
この研究では、計265,488人の子供が調査対象となりました。
研究者はこれらの子供を4つの集団に分け、それぞれ妊娠中の高血圧症状を評価しました。
4つの集団は、妊娠中に抗高血圧薬にさらされた子供、母親が後期に高血圧を発症した子供、母親の高血圧が未治療であった子供、そして対照群として母親が高血圧を患っていなかった子供に分けられました。
マクレイ氏と同僚研究者はこの研究に際して、早産、低体重、緊急帝王切開、在胎月齢に対して体が小さいことを含む、複数の評価項目を確立しました。
研究者は、36週目以前の出産を早産とし、2500グラム未満の出生体重を低体重とし、出生体重が人口の下位10%未満である場合に在胎月齢に対して体が小さいと定義しました。
研究対象となった265,488人の内、2,350人が子宮内で降圧薬にさらされ、4,391人が後期発症の高血圧治療にさらされ、7,971人が妊娠中未治療の高血圧にさらされていました。
最も使用の多かった抗高血圧薬はベータ遮断薬(4,003人; 58.66%)、2種類以上の降圧薬の配合薬(1,403人; 20.53%)、もしくはカルシウムチャネル遮断薬のみ(558人: 8.18%)でした。
高血圧にさらされなかった対照群と比較して、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧を含む、高血圧にさらされた3つの患者集団全てに、緊急帝王切開リスクの上昇が見られました。
未治療の高血圧群と予後を比較した分析では、抗高血圧にさらされた群では緊急帝王切開リスクがわずかに減少したものの、後期発症高血圧群と比較すると、リスクは高くなりました。
曝露のなかった対照群と比較して、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧は、全て早産リスクの上昇と関連していました。
在胎月齢を調節すると、未治療の高血圧、妊娠中の抗高血圧薬曝露、後期発症高血圧は全て、対照群と比較して、低体重児となるリスクが大幅に上昇しました。
在胎月齢ごとの体の大きさに関しては、妊娠中抗高血圧薬にさらされた群、後期発症高血圧群、および未治療の高血圧群において、対照群よりもリスクが上昇したことが示されました。
研究チームは、出生前の抗高血圧薬及び早産には関連がある可能性があり、研究で見られた関連は、高血圧が悪化し治療が必要になる患者の増加を反映している可能性があると結論付けました。
調査結果は、高血圧が低体重児および早産の主な危険因子となることを示唆しています。
「In Utero Antihypertensive Medication Exposure and Neonatal Outcomes: A Data Linkage Cohort Study」と名付けられたこの研究は、Hypertensionで発表されています。
出典 2020年1月13日更新 HCP Live Network『Hypertension May Influence Infant Birth Weight, Preterm Birth Status』(2020年1月22日に利用)
https://www.mdmag.com/medical-news/impact-hypertension-antihypertensive-medication-on-unborn-childre...