高齢者の爪真菌症の治療:イトラコナゾール(スポラノックス)よりもテルビナフィン(ラミシール)が有効
高齢患者で爪真菌症という最も一般的な爪の疾患への治療は、イトラコナゾール(スポラノックス)よりもテルビナフィン(ラミシール)の1日250 mg /の断続使用が効果的です。
研究者らは、アメリカ皮膚科学アカデミー(AAD)の第64回年次総会でのポスター発表でこの知見を報告しました。
爪真菌症とは、指や足の指が、肥厚したり変色し、裂傷を引き起こす原因となる感染症です。
テルビナフィンは、足の爪と爪の真菌感染症を治療するため、FDAにより承認されている抗真菌剤です。
これは、指の爪の真菌治療用は、6週間、通常は1日1回、錠剤として服用され、足の爪の真菌治療用は、12週間、1日1回です。
イトラコナゾールは、爪および/または足の爪の真菌感染症だけでなく、他の真菌感染症を治療するためにFDA承認されたトリアゾール抗真菌薬です。
これは、感染を引き起こす真菌の成長を遅くすることにより作用します。
爪の真菌感染症を治療するために使用される場合、1週間、1日2回カプセル剤として摂取されます。そしてその後、3週間は全く服用せず、その後、追加の1週間に1日2回服用されます。
AADの総会での発表研究では、72週間の二重盲検、多施設、並行群間試験で、テルビナフィンの毎日服用と、イトラコナゾールの断続的(4週毎に1週間)な服用を比較しました。
研究者らは、18歳~75歳の足の爪の爪真菌症のある496名の被験者を無作為化し、下記の4つの治療群の1つに割り当てました。
テルビナフィン1日250mgを12週間、または16週間、そして、4週間毎に1週間、 1日400mgのイトラコナゾールを12週間、または、16週間。
このサブ解析のために、研究者は、治療期間に関係なく、治療群によってデータを組み合わせました。
研究者らは、50歳以上の被験者における有効性は、全体の試験集団と類似していたことを報告しました。
彼らはまた、48週目と72週目で臨床的および完全に治癒し、真菌学的に、テルビナフィンを有利とする統計学的に有意な差について報告しました。
48週目では、テルビナフィンを服用している高齢患者の76.1%は、イトラコナゾールの39.6%(P <0.0001)と比較して、菌学的な治癒が見られました。
72週目での真菌学的治癒率は、テルビナフィンでは78.3%、イトラコナゾールで40.2%(P <0.0001)でした。
48週目での完治はテルビナフィンで36.3%、そして、イトラコナゾールで17.0%(P = 0.0017)でした。また、72週目ではそれぞれ、48.7%と17.0%(P <0.0001)でした。
72週目での、50歳以下のサブグループでは、研究者はテルビナフィンで治療された患者の52.2%に、また、イトラコナゾールで治療した患者の33.6%(P = 0.0099)に完治が見られました。
「テルビナフィンは高齢者のサブグループにおいて良好な忍容性を示しました。」と著者らは記述しています。
「有害事象の発生率は低く、一般的に軽度から中程度、そして、以前に極めて重要な試験で報告されたものと同様でした。」
著者らは、1日250 mのテルビナフィンの服用が、高齢患者における足の爪の爪真菌症の治療のためには、断続的なイトラコナゾールでの治療よりも大幅に効果的であると結論付けました。
研究は、ノバルティスファーマ社によってサポートされていました。
(記事元)http://www.docguide.com/terbinafine-lamisil-more-effective-itraconazole-sporanox-onychomycosis-older-patients-presented-aad