魚油、ビタミンDと運動は70歳以上ではどれほど役立つのか

2020年11月12日 - ビタミンD、魚油サプリメント、ウェイトトレーニングは、健康上の利点があると長い間宣伝されてきましたが、健康な高齢者にとって、それらのどれの組み合わせでも、または単独でも身体的または精神的なパフォーマンスを高めたり骨折を防ぐといった研究報告があります。

研究者らは3年間に渡り、3つの健康介入のうちの1つ以上を含むプログラムにランダムに割り当てられた2,100人以上の男性と女性（平均年齢：74歳）を追跡しました。

「結果として、過去に病気のない70歳以上の活動的な成人では、追加でビタミンDとオメガ3 （魚油）を摂取することは、非脊椎骨折のリスク、または筋肉と記憶機能に利益をもたらさないことを示しています。」

と、チューリッヒ大学病院の老年医学および老化研究の責任者で研究リーダーのへイク・ビショフ-フェラーリ博士は述べました。

しかし、結果は全く落胆するものでもありません。

現在進行中の分析では、魚油を1日1グラム摂取すると、高齢者の全体的な感染リスクが11％減少したことが示されています。また、一部、特定の感染リスクはさらに低下しました。

それには、高齢者によく見られる病気である尿路感染症での62％という劇的な減少があります。

骨折のリスクが改善されなかったとしても、毎日2000 IUのビタミンDを摂取していた研究参加者は、収縮期血圧（上の血圧）の測定値が「大幅に」低下したとビショフ-フェラーリ博士は述べています。

ビタミンDの補給は、70歳〜74歳の全体的な感染リスクの16％の低下にも関連していました。

「サプリメントの安全性と手頃な価格、そして高齢者の感染による高い死亡率を考慮すると、これらの結果は公衆衛生に関連しています。」

と彼女は述べました。

研究者はまた、二つの運動療法の影響をテストしました。

それは、筋力トレーニングプログラムと関節の柔軟性のための「注意制御運動プログラム」です。

それぞれ、週に3回、30分のセッションを含みました。

一部の参加者は、運動を行い、また、サプリメントを摂取したりしました。また、他の参加者は両方の組み合わせを行いました。

主要な既存の健康問題のない参加者の場合、それらのレジメンからは統計的に有意な健康に有利な点は見つかりませんでした。

彼らは、ほとんどの参加者が優れた形で研究を開始したため、より大きな利益を示す機会が制限された可能性があると述べました。

「80％以上の人が中程度から高度に運動を行っており、約半分は併存症のない健康な高齢者でした。」

とビショフ-フェラーリ博士は述べました。

「実際、3年間に渡り、すべての参加者には、血圧、認知機能、下肢機能の改善が見られました。」

テキサス州・ダラスにあるテキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの臨床栄養学部長であるロナ・サンドン氏は、調査結果をレビューした別の複雑な要因は、テストされた毎日のサプリメントの量かもしれないと述べました。

「この研究についての私が最初に考えたことの一つは、介入用量が違いを引き起こすのに十分であったかどうかです。」

サンドン氏は述べました。

「ビタミンDの投与量はわずか2000IUでした。これは現在のビタミンD投与の上限と考えられています。しかし、実際にどれだけのビタミンDが上限であり、血中濃度を変える必要があるかについては、多くの科学的論争があります。サプリメントよりもはるかに多くのビタミンDを日光から得ることができます。」

魚油の投与量も比較的低かったとサンドン氏は述べました。

炎症を抑えるなどの利点を示す研究では、はるかに高い用量が使用され、筋力トレーニングも現在の推奨値である週2時間を下回っていたと彼女は付け加えました。

「週に3日間、30分と自己申告したのは参加者の約3分の2のみでした。」

とサンドン氏は指摘しています。

「それで、結果は驚くものなのでしょうか。それらの用量を考慮すると全くそうではありません。」

結論としてサンドン氏は次のようの述べています。

「食物や日光から十分なビタミンDを摂取することは私たちにとって良いことであり、不可欠です。」

「オメガ3脂肪酸は、体と適切な機能に不可欠な栄養素でもあります。運動は、私たちの心身の機能を維持するのに役立ちます。人々は健康的な食事と運動を続けるべきなのです。これらのいずれにもマイナス面はありません。」

調査結果は、Journal of the American Medical Associationに11月10日に公開されました。

【以下のリンクより引用】

Healthday