バルプロ酸ナトリウム（デパケン / セレニカ ジェネリック）

脳神経の興奮をおさえて、てんかん発作を予防しますする抗てんかん薬です。また、怒りやすい、不機嫌など、てんかんに伴う性格行動障害を改善します作用も持っています。

下記の場合の使用は禁忌。
(1)重篤な肝障害のある方
(2)本剤使用中のカルバペネム系抗生物質（パニペネム・ベタミプロン，メロペネム水和物，イミペネム水和物・シラスタチンナトリウム，ビアペネム，ドリペネム水和物，テビペネム ピボキシル）の使用
(3)尿素サイクル異常症の方

下記の場合の使用は慎重を期すこと。
(1)肝機能障害又はその既往歴のある方
(2)薬物過敏症の既往歴のある方
(3)自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の方
(4)次のような尿素サイクル異常症が疑われる方
＊原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある方
＊尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある方

(1)連用中における投与量の急激な減少・中止によって、てんかん重積状態が現れることがあるので、中止する場合は徐々に減量するなど慎重に行うこと。高齢者・虚弱者の場合は特に注意が必要。
(2)重篤な肝障害（投与初期6ヵ月以内に多い）が現れることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察する。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、肝障害とともに急激な意識障害が現れることがあるのでこのような症状が現れた場合には直ちに適切な処置を行う。
(3)連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい。
(4)尿素サイクル異常症が疑われる場合は、投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮する。なお、このような患者では投与中はアンモニア値の変動に注意し十分な観察を行う。
(5)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤の使用中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作はしない。
(6)〔徐放剤〕製剤学的にバルプロ酸ナトリウムの溶出を制御して徐放化させたものであり服用後一定時間消化管内に滞留する必要がある。したがって重篤な下痢のある患者では血中濃度が十分に上昇しない可能性があるので注意する　 (7)〔徐放剤〕他のバルプロ酸ナトリウム製剤を使用中の患者において使用薬剤を本剤に切り替える場合は血中濃度が変動することがあるので十分に注意する。

高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため，遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがあるので，用量に留意して慎重に使用する必要があります。また、連用中の急激な減少うや中止によって、てんかん重積状態が現れやすくなるので慎重に使用する必要があります。

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には，治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。奇形児が生まれたとの報告がある。
(2)妊娠中にやむを得ず使用する場合は、可能な限り単剤投与することが望ましい。他の抗てんかん剤（特にカルバマゼピン）と併用して投与された患者の中に，奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
(3)妊娠中の使用により、新生児に呼吸障害，肝障害，低フィブリノーゲン血症等が現れることがある。
(4)妊娠中の使用により、新生児に低血糖，退薬症候（神経過敏，過緊張，けいれん，嘔吐）が現れるとの報告がある。
(5)動物実験（マウス）で，本剤が葉酸代謝を阻害し，新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある。
(6)授乳婦が使用する場合は、授乳を中止すること。